014063 ランダム
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Death&Derk

~1~

「一つ、聞いていいか?」

アースが、隣の少年へ話しかける。

「え?」

「一つ聞いていいか、って聞いてるんだ」

口調からして、少々怒り気味のようだ。

「あぁ、どうぞ」

隣のアイは飄々としたまましゃべる。

「なんでこんな辺境なんだ!聞いてた話と違うじゃねェか!」

どうやら話の食い違いらしい。

「え?聞いてなかったの?俺達の班はこの国で一番魔物が多い場所に派遣されたん

だよ?」

「は?」

「だから、一番魔物が多いところに派遣されたんだって」

もう一度同じ言葉を繰り返す。

「いや、それはわかってる。って、えぇぇぇぇー――!?」

全くわかっていない。

「いや、えぇぇぇぇ!?ってなんだよ。」

「普通言うだろ。なんで俺等二人だけで一番魔物の多いところに行かなきゃならねぇんだよ?」

不満たらたらに話すアース。

「そりゃ、俺等が一番強いからに決まってるだろ?」

アイは当たり前のように話す。

「いや、でもさ。ほかの所の班は大体7人かそこらで組んでるじゃんか。7人で一番強いところでいいじゃんかよ」

すると話をさえぎるようにアイが言った。

「だめだよ。ここは1日100頭は魔物が来る場所なんだぜ?そんなとこ俺等じゃないと1日だって生きてる保障はない。それに、先公の野郎俺等を煙たがってたじゃねぇかよ。たぶんここで自分の手は汚さずに俺等を殺すつもりだぜ。魔物でよ」

アイは俺等を、を強調して話した。

「はぁ・・・・・。出るくいは打たれるか」

「だよなぁ・・・。」

アース=クエイクは茶髪の長い髪を白い布でポニーテールにした少年だ。

幼いように見える顔にはいくつかの傷跡が残っている。

一方、飄々とした顔のアイ=デアルは黒髪をベリーショートにした少年だ。

アイも幼い顔をしているがその左ほほには火をかたどった刺青があった。

「おいおい、もう魔物のお出ましかよ・・・・。」


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